小池東京都知事の知事選で争点の一つにもなった築地市場の移転問題ですが、築地市場は昨日
の10月6日に83年間の歴史に幕を閉じました。
今後は豊洲市場に移転することになっております。
この築地市場移転を巡っては、昨年までかなり揉めてました。
豊洲の地下水の汚染が危険だとか、盛土がされてなかったといったことも騒がれました。
それでは、今から振り返ってみて何が問題だったのでしょうか?
豊洲市場の地下水は問題なのでしょうか?
元々、築地施設の老朽化で危険であることや、衛生面の問題があって移転が決まった筈です
が、なぜ今まで移転が実現しなかったのでしょうか?
何が決めてになって移転が実現するようになったのでしょうね。
そのことについて、みていきたいと思います。
目次
移転延期理由
豊洲の土壌問題
土壌汚染については、以前から法的にも都の条例も満たしていました。
しかし、移転反対派や野党の説得材料として都が自ら高い基準設定をした為に都の負担額が約
600億円ぐらいかかっていたことも問題になっていました。
また、一時期は豊洲の地下水については、環境基準レベルまでハードルを上げたことで移転が
難しくなっていました。
高濃度のベンゼンが発生していたこともあり、移転に逆風が吹いていました。
安全対策は満たしてましたが、安心対策は100%は不可能なので、市場関係者や都民に対して
理解を求めるしかない状況でした。
設備投資の問題
豊洲移転に伴い、冷蔵・冷凍設備や活魚用水槽等の他、移転費用などで莫大な投資が必要だっ
たことが考えられます。
築地の中小事業者は、資金的に厳しかったので出来るだけ移転せずに築地で営業をしていたか
ったと思います。
使い勝手がよくない設備の問題
豊洲の設備ではスペースが狭くて、マグロをさばくのが困難といわれてました。
現在では安全対策として、いろいろな法律が出来ており、それらを満たす為には仕方がないよ
うです。
これらの問題は、やり方を研究して、工夫することで対応するしかないと思います。
今までが屋外の解放空間でさばいたりしてきたこともあり、衛生面を考えると納得せざるを得
ないです。
政治的な駆け引きの問題
昨年までの動きを見てると、政治的な駆け引きの面があるように思います。
現知事の発言の正当性を証明するために、移転延期が行われたと思います。
選挙の時に築地移転を再検討する発言があり、この為、豊洲の安全性や安心性について、小池
知事も曖昧にはできなくなりました。
都民の支持を得るため、安心性について深入りし過ぎてしまいました。
しかし、築地市場でも、老朽化以外に水槽水から基準値越えのトリハロメタンが検出されると
いう問題が発覚しました。
この為これ以上、築地に拘る理由がなくなってしまいました。
現在の築地市場の再整備は問題が多すぎて、ありえないことです。
後は、いかに都民や築地関係者に納得できる説明ができるかだけという状況でした。
元々、段階を踏んで多くの人の理解を得て、豊洲移転をするしかないのは明らかでした。
移転の決め手
補償費用の問題
移転の決め手となったのは、やはり補償問題が大きかったと思います。
移転延期による補償問題は莫大な額になっており、豊洲市場の維持費だけでも1日あたり500
万円かかるといわれてました。
豊洲市場の安全性に問題がない以上、これ以上、移転延期することは、補償額が膨らむばかり
で不可避な状況だったと思います。
東京五輪開催の問題
もうひとつは、東京五輪の開催の為、環状2号線の整備が必要であったことです。
環状2号線の整備の為には、築地市場を閉鎖して更地にする必要があったようです。
東京五輪が開催出来なくなるという批判もあり、豊洲への移転は早急に決断せざるを得なかっ
たようです。
ま と め
1.移転延期の理由
- 豊洲の土壌問題
- 設備投資の問題
- 使い勝手がよくない設備の問題、
- 政治的な駆け引きの問題
2.移転の決め手
- 補償費用の問題
- 東京五輪開催の問題
豊洲移転の既定路線を新知事はちゃぶ台返ししましたが、結局は豊洲移転以外に方策はなかっ
たと思います。
問題提起をして、多くの人の理解を得るのに多額のコストがかかってしまいましたが、豊洲市
場が今後発展していくことを期待したいです。
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