日産自動車の会長を解任されたゴーン氏ですが、拘留延長を東京地裁が棄却したにもかかわら
ず、特別背任容疑で再逮捕されたのには驚きました。
東京地検特捜部からは、ゴーン氏に関する悪材料がマスコミを通して伝わってきてますが、は
たして起訴や有罪まで持ち込めるのでしょうか?
海外メデイアからも日本の捜査手法やゴーン氏の待遇を巡って批判も出ており、長期間の拘留
には特捜部の焦りもあるかもしれないですね。
今回は、東京地検特捜部の過去の失敗事例とゴーン氏を釈放したくない理由、ゴーン氏を起訴
できるかや、ゴーン氏の今後についてみていきたいと思います。
目次
東京地検特捜部の過去の失敗事例
過去の失敗事例では、当時民主党の小沢一郎氏を政治資金の問題で取り調べ、後に検察審査会
でも争われましたが、結局有罪にはならず、検察審査会の問題が明らかになるだけでした。
また、大阪地検特捜部の案件でしたが、村木厚子局長を主任検事が証拠改ざんして事件をでっ
ちあげた事件もありました。
調書に容疑者の自白内容を書かず、取調官が自分の見立てやストーリーを組み立てて、それに
当てはめた内容で書いたり、その内容で自白を迫ったりして問題になりましたね。

ゴーン氏を釈放したくない理由
- 証拠隠滅の恐れがあること
- 海外に逃亡する恐れがあること
- 海外メデイアに向かって無罪をアピールする恐れがあること
フランスやブラジル、レバノンに逃亡されると、各国の政府は日本の捜査手法に批判しているので、2度と日本に引き渡さない可能性があると思います。

ゴーン氏を起訴できるか
今回の事件は、東京地検特捜部の威信をかけた戦いになりそうです。
やはり、本丸は特別背任容疑で起訴するようですが、特別背任は証拠が少ないケースが多く、
立証が難しいといわれてます。
ゴーン氏の容疑内容
ゴーン氏の金融取引による約18億円の損失を日産の取引に付け替えたようです。
しかし、違法性があるとの証券監視委員会からの指摘により、サウジアラビアの知人に信用保
証してもらい、自分の資産管理会社に戻したようです。
その後、日産の子会社からその知人に約16億円支払っているようです。
ゴーン氏は日産に損失は出していないと話しているようですが、その件で大きな問題がなくて
も、日産の子会社から知人に約16億円支払っているのは問題になりそうですね。
約16億円が会社の機密費として使われたとも報道されてます。
このあたりが背任行為にならないのかどうかが問題ですね。
ゴーン氏の特別背任を立証できるか
ゴーン氏の特別背任の事実は、多くの証言から可能性は高いと思います。
しかし、事実関係があっても、そのことの立証が難しいのが特別背任罪の特徴です。
知人はサウジアラビアの人間ですし、捜査に協力してもらうのは難しいと思います。
約18億円の損失の付け替えは、新生銀行の外国人幹部も証言しており、間違いないと思います
が、日産に損失がなければ大きな罪にはならないでしょうね。
約16億円の支払いについての違法性が立証できなければいけないですが、証拠固めがどこまで
できるかによります。
法律の専門家も起訴できるかどうかも難しいといっている人が多く、立証できるかどうかは
50%ぐらいではないでしょうか。

ゴーン氏の今後
ゴーン氏が起訴され、有罪になった場合
ゴーン氏が起訴され、有罪になれば、すべてのものを失うと思います。
これまでの信用や名声、地位も失いますし、財産も失います。
株主から莫大な損害賠償を求められる可能性も高いので自己破産するかもしれないです。
ゴーン氏が無罪になった場合
ゴーン氏が無罪になれば、日産自動車の会長に復帰し、西川社長をはじめ、反ゴーン派の経営
陣を追放するでしょうね。
海外メデイアや外国人特派員協会で記者会見を開き、無実だったことをアピールし、日本の捜
査手法を批判すると思います。
また、ルノーと日産の関係においても、ゴーン氏はルノーが日産を買収する方向で動くと思い
ます。
ま と め
1.東京地検特捜部の過去の失敗事例
- 小沢一郎氏を政治資金問題で取り調べた事件
-
村木厚子局長を主任検事が証拠改ざんして事件をでっちあげた事件(大阪地検特捜部)
2.ゴーン氏を釈放したくない理由
- 証拠隠滅の恐れがあること
- 海外に逃亡する恐れがあること
- 海外メデイアに向かって無罪をアピールする恐れがあること
3.ゴーン氏を起訴できるか
ゴーン氏の容疑内容
- 金融取引による約18億円の損失を日産の取引に付け替えたこと
-
知人に信用保証してもらい自分の資産管理会社に付け替えを戻した後、日産の子会社から知人に約16億円支払っていること
ゴーン氏の特別背任を立証できるか
- 事実関係があっても、そのことの立証が難しい
- 約16億円の支払いについての違法性の立証が難しい
4.ゴーン氏の今後
ゴーン氏が起訴され有罪になった場合
- これまでの信用や名声、地位も失い財産も失う
- 株主から莫大な損害賠償を求められる可能性も高い
ゴーン氏が無罪になった場合
-
日産自動車の会長に復帰し、西川社長をはじめ、反ゴーン派の経営陣を追放する
-
海外メデイアや外国人特派員協会で記者会見を開き、無実だったことをアピールし、日本の捜査手法を批判する
- ルノーと日産の関係において、ゴーン氏はルノーが日産を買収する方向で動く
ゴーン氏の保釈に関する記事は、こちらからどうぞ。
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